純損失の繰越し
青色申告をしている者で事業所得、不動産所得及び山林所得の各種所得に損失が発生し、他の所得と損益通算をしても損失が残る場合には 翌年以後3年間損失を繰越すことができます。純損失の繰越控除をするには、確定申告書に損失の金額に関する事項を記載し提出期限内に 提出するとともに、翌年以後も連続して確定申告書を提出する必要があります。
なお、白色申告者の場合は、純損失の金額のうち、変動所得の損失と被災事業用資産の損失の金額のみが繰越控除の対象となります。
※変動所得とは漁獲・のりの採取から生ずる所得、はまち、うなぎ、ほたて等の養殖から生ずる所得、原稿・作曲の報酬に係る所得など、
年によって著しい変動がある所得をいいます。
また、被災事業用資産の損失は、災害により事業用資産
が滅失し、損壊し又はその価値が減少したことによる事業用資産の取壊し又は除去のための費用その他の付随費用をいいます。
純損失の繰越しの計算例
- 【設例】
- 前年の所得:△500万円
- 前年の所得税:0円
- 本年の所得:800万円
- 本年の所得控除:250万円
- 本年の所得税(純損失の繰越しをしない場合):672,500円
- 【純損失の繰越しをする場合の本年分の計算例】
- 所得金額の計算:800万円−500万円=300万円
- 課税所得金額:300万円−250万円=50万円
- 所得税額:50万円×5%=25,000円
- ※純損失の繰越しの計算をすることで前年の損失がない場合に比べて、支払う税金が647,500円減少しています。
- ※上記は2020年1月現在の税法に基づいて記載しています。
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純損失の繰戻し
青色申告者は、純損失の繰越控除により翌年以後3年間の損失の繰越を受けることができるほか、前年の所得から控除し、納付済みの
所得税の還付を受けることができます。この純損失の繰戻しを受ける場合には、確定申告書に損失に関する金額等を記載し、提出期限内に
所轄税務署に提出すると共に「純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書」を提出する必要があります。
還付金額の計算は
次のとおりです。
※この金額が前年分の所得税の額を超えるときは、その所得税の額が限度となります。
純損失の繰戻しの計算例
- 【設例】
- 前年の所得:700万円
- 前年の所得控除:280万円
- 前年の所得税:412,500円
- 本年の所得:△300万円
- 【純損失の繰戻しをする場合の前年分の計算例】
- 所得金額の計算:700万円−300万円=400万円
- 課税所得金額:400万円−280万円=120万円
- 所得税額:120万円×5%=6万円
- 還付金額:412,500円−6万円=352,500円
- ※純損失の繰戻しの計算をすることで前年に支払った所得税のうち352,500円が還付されます。
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