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国税査察(マルサ)

国税局査察部は、大口かつ悪質な脱税者を摘発するための組織です。税務署、国税局調査部、資料調査課などの査察部以外の調査官は脱税者から国税を追徴することを目的に税務調査を行っていますが、国税局査察部は、脱税の事実を検察庁に告発し、裁判を経て脱税者に刑事罰を科することを目的とする組織です。

税務署などの税務調査は任意調査であるのに対し、査察部(マルサ)が行う調査は泣く子も黙る強制調査です。

国税査察(マルサ)の組織

査察部の組織は大きな国税局と小さな国税局とで大きな違いがありますが、簡単に紹介すると次のとおりです。

  • 査察管理課・・・総務課のようなもの
  • 査察総括課・・・脱税者の内偵や検察庁への告発の調整・管理を行う
  • 特別国税査察官・・・税務署の署長・副署長級のベテラン査察官が在籍する
  • 査察第1部門〜査察第○部門・・・実働部隊であり、脱税者の内偵を行う部門と強制調査を行って脱税額を確定させて検察庁への告発を担当する部門に分かれる

国税査察(マルサ)の手順

国税局査察部(マルサ)の仕事の流れの概要は次のとおりです。

  • ・部内資料・一般からのタレこみ・警察・検察からの情報・風評などを基に内偵対象者を選定
  • ・内偵調査
  • ・査察着手決定
  • ・裁判所に「臨検捜索差押許可状」を請求
  •  (上記までを内定担当者が行い、以下は告発担当が行う。)
  • ・事業所・自宅・取引先・取引金融機関など数十か所を一斉に臨検・捜索し証拠書類を差し押さえ
  • ・脱税者に対する事情聴取・差し押さえした資料の分析
  • ・脱税額の確定
  • ・検察庁へ告発
  • ・裁判(国税担当の検察官が行う)

国税査察官

税務署の調査官がいきなり国税査察官となっても脱税者の摘発は困難で、内偵から告発までの仕事にはベテランの査察官が必要となります。このため、税務署では3年に1度は転勤がありますが、査察部に入れば5年10年と長く勤務することが多いです。久々に他の部署に転勤となってもまたすぐに呼び戻される例も多々あり、査察官歴20年以上という者もいると聞きます。

査察官は、映画「マルサの女」やドラマ「ナサケの女」などで有名ですので、自分も査察官になりたいと希望してくる税務職員もいますが、非常に過酷な勤務となるため、どちらかと言えば敬遠されがちです。

また、仕事がきつい割には国税内部で出世などの面で優遇されているとは言えません。国税局では、査察部や調査部などの様に脱税や申告漏れををどんどん摘発する部署よりも、内勤して税務署の事務運営の立案・指導監督をする部署に長く在籍するのが出世コースとなり、大抵は定年前に税務署の署長まで上り詰めます。査察部の中で順調に出世すれば良いですが、査察部内での出世コース争いに敗れた場合には、定年前に税務署長になるのは厳しくなります。

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